大判例

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札幌高等裁判所 昭和25年(う)498号・昭25年(う)497号 判決

物価統制令はその第一条に規定せられているとおり終戦後の事態に対処し物価の安定を確保して社会経済秩序を維持し国民生活の安定を図ることを目的として制定せられたものであり、その具体的な方策として統制額の設定を眼目とし、これに添えて不当高価暴利の取締その他抱合せ、物々交換等の禁止をも規定しているのであつて統制額の定めのあるものは不当高価や暴利の取締の対象にはならないものと解するのを相当とする、蓋し統制額の設定はそれが最高額という形式ではあるけれども、おそらく同時に最低額に近いものであるべき経済事情の実体を見たものであり、その統制額の範囲内でなお不当高価とか暴利というもののあり得べきことは殆んど想像することができないからである、仮りにあるいは統制額の範囲内でも相当利益をあげるものがありとすればそれは必ずや何らか極めて特殊なる事情によるまれな例外にすぎないのであろう、このまれな例外があるからといつて諸金額の定めのあるものについても暴利行為の観念が成立するものとなすことはできない、従つて被告人藤本が前記毛布をその卸売業者販売業者販売価格の統制額の範囲内で販売したのは、たとえ不当な利潤を獲得していても暴利行為と認めるべきではないという原審の認定は正当であつて、この点に関し原判決には何等法令適用の誤はない、所論は独自の見解に立脚して統制額違反と暴利行為とは両立し、両者は一所為数法の関係に立つものであると主張するものであつて、これに賛成することはできない、論旨は理由がない。

(後略)

(註。本件は昭和二七年勅令一一七号大赦令に該当。)

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